秋だけどクリスマス - 2009.10.14 Wed

皆さんこんにちは。
朝晩めっきり寒くなって もうおこたが恋しい季節になっちゃいました。
今日のタイトルは 「秋だけどクリスマス」
これはいったい何ぞや? と思った方も多いと思います。
実は、クリスマスの模様の帯を作ったというお話で~す。
クリスマスの帯を作る~♪
自分のお誕生日プレゼント用にクリスマスの帯を作りたい
そんなご注文を頂きました。
正直言って・・・・そんなん おかあちゃんは作った事がない
でもそこはプロ、何とかするのだ。
いろいろ好みを聞いたりしてデザインをし 図案のOKをもらい
いよいよ友禅の作業に入りま~す。

まずは 塩瀬の白生地に青花で下絵を描きますよ・・・・・

下から照らす蛍光灯が暖かいので
オイラはよくおかあちゃんの目を盗んで机の下に入っていました。むふむふ♪

後ろのお太鼓の部分の下絵がだいたい完成。
あとは前の部分と落款を描いて
次の行程の 糊置きやさん に持って行き糸目糊を置いてもらいます~
そして、先に地色を染め屋さんで指定した色に染めてもらいます。

はい! 出来ました、早い!
(ウソですよ~~ 本当は数週間かかっています。)

こんなふうに 色付けするところが白抜きになっています。

拡大してみました。
可愛い雪だるまさん、ソリ 他にトナカイも入っています。
写ってないけど。
さてさて、彩色(色付けする事をこう呼びます)作業に入りましょう~♪
おかあちゃんが弟子入りした工房では こんな「枠」に帯を張ります。
他の工房では違った方法を使っているかもね。


色見本帳をみながら 一番いい色の配色を探し
地色に合うように青っぽく変えたり、赤っぽく変えたりして決めていくんだけど
これは必ず午前中の自然光でやります。
蛍光灯の光だと色が違って見えるからです。

自分の作った色がきちんと合っているか 白生地に試し塗りをします。
グレーの色がイメージと違っていたから 2度作りなおしていますね・・・
染料って濡れている時と乾いた時と色が違ってくるし
生地によってもまた違ってくるので
ここは経験がものを言います・・・ なぁ~んちゃって
おかあちゃんは30年の経験年数だけどね~
一発で決まるってなかなかないんだよね~

お太鼓部分と前の部分と 最後に落款にうぐいす色をぬって
彩色完了~♪
あとは再び染め屋さんに行って
蒸したり 水で洗ったり 糸目を取ってもらったりの
仕上げ行程をしてもらいま~す。
おかあちゃんはこの帯が注文した方にとっても気に入ってもらえたので
本当に嬉しかったのでした~~

おかあちゃんは 友禅職人なのに友禅の帯は1本しか持っていません。
それは・・・・ビンボウだからです。
足袋ネコのお誕生日のプレゼントは「登山」。
お小遣いのほとんどが「山」に消えていく というのは
友禅職人としていかがなものか?
