お邪魔ネコがご紹介します。 - 2011.08.20 Sat

みなさまこんにちは~ ノリです。
昨日の金沢、涼しかったんよ~
秋になったか? って思っちゃった。
今回は黒留袖の下絵、糸目糊、彩色前のご紹介で~っす。
図案を書いている時の写真は ありまっしぇーん。
今回の図案、おかあちゃん 相当手こずったので
写真を写している気持ちの余裕がなかったのでした~
いきなり 下絵 です。 それも終盤。

お仕事の時はお部屋に入れてくれないの。
ドアの外側で大泣きしてたら
そろそろ下絵が終わりに近づいてきたので やっと入れてくれたの。

点でも○でも抜けてないか、線が途切れてないかを確認していきます。

全部確認が終わると生地をまるけて反物状態にします。
横に置いてあるのは「兼六園」の図案で
広げると 畳1枚くらいの大きさですよ。
これからこの反物は 糊置き屋さん に持って行って
糸目糊を引いてもらいます。
反物がまたここに帰ってくる時は、
おかあちゃんの苦労して描いた線は全部消えてます。
・・・・・はい、帰ってきました。(都合よく編集♪)


いい仕事 してますねぇ~~
どこかで聞いた事がある台詞ですが
「いい仕事」 というのは友禅での場合
美しくきちっとした出来映え というのはもちろんなんだけど
次の行程をする人の仕事をやり易くする事
作家の意思を全て受け取り、自分を殺す事 なの。
糊置きの人が自分のやり易いように仕事をしてしまうと
作家の 意思がこもった線 がなくなって
「別の物」 になってしまうんよ~
この糸目糊の仕事をした方は30年以上のベテランさんです。
ツーと言えばカー という関係以上で
何も言わなくてもおかあちゃんが描いた下絵の線がそのまま生きています。
作家の意思をそのまま繋いでくれる職人さんの存在が
手描加賀友禅を支えています。

おかあちゃんがこんなものを出してきました。

これは 反物を凧状に張る 「伸子(しんし)」というものです。
素材は竹。 長く使っているから飴色になってますよ。

今は グラスファイバー という便利そうなものがあるんだけど
おかあちゃんは こっちの方がいいんだって。

黒留袖は2本ずつの7セット必要です。
おかあちゃんが間違えて9セット持って来ました。
9セット必要なのは「訪問着」なのにー

反物が伸子に張られました。

裏側はこうなっているんよ。
大きな「伸子」の他に小さな物もくっ付いてます。
これは「こばり」と言って シワやよれがない様に、きちんと張るために
何本も付けます。

「伸子」や「こばり」には 先端に針がついているので
生地をその針にひっかけて固定するんです。

「こばり」の針 見えますか~?
おかあちゃんは この針で何度も指を刺し「ち」をみています。
おっちゃこちょいですからねー

どんなに小さな傷でも 大げさに絆創膏を貼ります。
だって、生地が少しでも汚れたら大変だから。
どんな汚れも大敵。

長い記事を読んで下さってありがとうございました。
アタシのご紹介はここまで。
だって・・・・
ネコの毛も大敵なのよね~~
明日から当分の間、ノリは お出入り禁止
